Vol.4 年間休日140日実現秘話
インタビュー内容
「年間休日140日」 実現秘話
山田
年間140日休みがあって、これは日本一休みが長いと言われるんですが、元々未来工業は自分の所の運送タックをもってなかったんですね。ましてや地域密着型じゃなくって創業時から九州から商品を配送するって所があったんで、どうしても自分の所では無理なわけですね。で、いわゆる運送会社さんにお願いするわけで、自分の所でトラックをもっている場合は、大みそかでも運べるわけですよ。でも我々は運送会社さん頼みなんで、27日とか28日とかで終わるわけですよ。するとお客様からお前の所は休みが長いなと、始まるのも遅いしと、やる気あるんかという話になってくるんですね。運送会社さんが休むんで、どうしょうもないんですよと。大体メーカーさんのどこどこさん、どこどこさんとか同じように運送会社さんを使っておられるじゃないですかって。あそこは別にいいんだよと、そう使わないから、お前の所はしょっちゅう使うからいるんだよって話ですね。
聞き手
ある意味うれしい話でもありますね。
山田
バブルの時に建築業界は人手不足で困ってます。で、未来工業は製造業、3交代の製造業は3Kと言われて若者が入ってくれません。高校生を採ってもすぐにやめちゃいますって頃がありましたね。どうすれば未来工業の社員も辞めずに残ってくれて、業界的にもプラスになるかを考えた時に、どうせ休みが長い長いと言われるんだから、ちょっと休みを長くしてみるかというところから始まって。
聞き手
そっちの発想にいかれるですよね。それはすごいなと思います。
山田
で、一番簡単にできることなんです。休みを長くするってことに対して、普通はものすごくアレルギーを感じる方が多いんで、山田昭男としてはそれがおかしいだろうと。それを証明したいという思いもあったと思うんですが、休みが長くなる、休みが長くなると忙しくなると文句を言いつつ、結局は休みをみんな楽しんで、それがモチベーションになって、会社の社員の顔がキラキラしていると言われるくらいになったのはその辺かと思っているんですけど。
ところが、バブルが崩壊しちゃいました。すると、普通の人が入ってくるわけですね、業界の人手不足が収まるわけですね。そうなった時に会社で人を採るためとかが、業界のためになるようなこととかはもう口にできないんですね。余っている人が十分あるわけですから。するとなぜかいつのまにか日本一休みの長い会社になっちゃって、はじめと違うやんみたいなね。
聞き手
元々はそれを意図していたわけではなく、結果そうなってしまったって感じ。
山田
いくつかある理由の1つだったと思うんですよ。3番4番か5番か6番か、もしくは10番以下かもしれない。そんな中いつの間にか1番にあがっていて、おかしいだろお前みたいなね。そんな感じで今は思っているんですが、リーマンショックがあって色んなリストラを進めていた。で、地震が起こった。結果、運送会社もドライバー不足で非常に困っておられるし、建築現場も人手不足で、とても困っていて、今ならまた言っていいかなと。スタートの理由を言っていいかなと思って、こういう過程を話して、今は本来の理由に戻して、こういう理由でやっていますというふうに言ってます。
聞き手
残業をせずにいかに時間内に収められるかとかを常に考えるとか、どうすれば無駄が出ないかとか、どうすれば年間140日休んでもお客さんに迷惑がかからないかとかそういうことを常に考えるようになるということですよね。
山田
おっしゃる通りです。考えてなかったら、出来てません。考えてるからなんとかやってます。年間140日が休み。特に正月休みは17日毎年取ります。とても長いです。当然お客様に迷惑がかかることがあります。ある地域のお客様は約2割の商品が、関東の茨城に工場がありまして、そこからの商品が約2割ほどあるらしいんですけど、その2割がどうしても滞ってしまう。休むのはかまわんけど、スタートした今日からはちゃんと届けてくれよと。確かに本社の物、お宅の営業所在庫は確かに届くよと。でも茨城の2割が届かないじゃないかと。そういうクレームがくるわけですよね。そこでそれをいかに無くすかで、頭を悩ませてやっているわけで。
さらに踏み込んだこともやっていきたいなと思っているところなんですけど。とにかくお客様あっての商売ですから、残業禁止、残業ゼロと言ってもそれはあくまでも我々の目標であって、お客様には関係ないわけですから、ものはきちんと届けます。そのためには残業します。休日出勤もやります。やりますはいいんですが、それじゃあ未来工業じゃないよねと。で、どうするのみんな、とやれば、彼らは考えてくれます。さあみんなと言った時には考えてくれているんで、そもそも言う必要がないんですね。とにかく社員のことを考えて、いろいろとやってきた。その結果、社員が答えてくれたと思ってますので、一生懸命会社のためにやっているのにまだ効果が出ていないというのが結構あると思うんですよ。そういったところもこれから未来工業の中で見つけていって探し出して、改善していけたらと思いますよね。
経営者プロフィール
| 氏名 | 山田 雅裕 |
|---|---|
| 役職 | 代表取締役社長 |
会社概要
| 社名 | 未来工業株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 岐阜県安八郡輪之内町楡俣1695-1 |
| 設立 | 1965 |
| 業種分類 | 化学 |
| 代表者名 | 山田 雅裕 |
| 従業員数 | 1164 名 |
| WEBサイト | http://www.mirai.co.jp/ |
| 事業概要 | 電気設備資材、給排水設備およびガス設備資材の製造販売 |