Vol.3 新制度導入で得たこと
インタビュー内容
新制度導入で 得たこと
山田
未来工業は全社員が正社員で、パートや派遣はいないんです。
聞き手
それもまた珍しい。
山田
で、女性が育児休暇を取ると、営業所の場合。特に地方の営業所の場合、そういうわけにいかなくなるわけですね。先日、大分の。大分は所長と営業マンと女性と3人の営業所です。その女性がとうとう懐妊して育児休暇を取りました、1年間の。当然派遣を採るわけなんですけど、2月目かな、1月か2月で、この仕事は向いていないからと辞められちゃって。もう1回派遣をもらって、1から教え込んで、もう大変です僕はとか言ってね。大分の人が言ってましたけど、そういう時のために今までは派遣やパートは禁止だったんで、そういう状態でも、育児休暇の時は男が残って電話を取るようなことがあったものですから、それを改善したくて、そういうことを提案するわけですけど。 ある営業所に行くと、60前後のベテランの女性の社員が、困りますって言うんですね、喜んでもらえると思ったら、困りますっていわれるわけですよ。なぜですかって話になると。要約すると、未来工業は全社員が正社員、パートや派遣がいない、だからこそお互いが信頼しあえるんだと。パートや派遣という赤の他人にお金だとか大切な業務を任せられないってわけですよ。物すごいことを言うなと思いながら、本人はよろこんでもらえると思ったのが、そういうかたもおられるわけで。やはり皆さん色んな思いがあるようでしてね。定着するまで時間がかかるかなとか、定着してからもみんなの中でわだかまりが残るんじゃないかとかいろんなことを思いながら。やはり何か新しいことをするのは大変だなと、難しいなと思いましたね、今回。
聞き手
でも、もう1つに「70歳まで定年」というのも掲げていらっしゃるじゃないですか。これから高齢化が進んでいく中で、若くて現場でたくさん動ける方よりも、どちらかというと経験や知恵があるけれど体がなかなかそんな風に若い時のようについて行かないという方々も増えてくるわけじゃないですか。その辺についてもとても大変じゃないのかなと単純に思ってしまうんですけど。
山田
ものすごく重荷を背負わされた感じですね。正直、加齢だけの面だったら、60で再雇用すればいいんですが。70までって年齢を考えた時にやはり会社としてそこまでの仕事を与える、作る。こういうことって今までにないことなんで、これも新しいことなんですよ。今は製造部が本当に七転八倒しながらやっています。うちは給与も60歳で打ち止めになって落ちないでそのままいくんですね。再雇用で下がらないんで、金銭的にも負担になりますし、非常に今重たいです。
聞き手
でもその姿勢は変えていかれる予定はないわけですよね。
山田
できる限り頑張りたいですね。正直、今40代の人間辺りでも、このシステムは持たないだろうと。自分たちの頃は、たぶん60を過ぎたら、そこで一旦終わって再雇用になって、お金が下がっちゃうはずだからって思っちゃう人間が何人もいると聞くと。やっぱくやしいですよね。面白くないなその発言っておもっちゃいますよね、こっちもね。よし、なにがなんでもやってやろうと強い覚悟でやって、せっかくここまでやってきたんだから、1年でも長くやりたいなと。100年でも200年でもやりたいなと思ってます。
経営者プロフィール
| 氏名 | 山田 雅裕 |
|---|---|
| 役職 | 代表取締役社長 |
会社概要
| 社名 | 未来工業株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 岐阜県安八郡輪之内町楡俣1695-1 |
| 設立 | 1965 |
| 業種分類 | 化学 |
| 代表者名 | 山田 雅裕 |
| 従業員数 | 1164 名 |
| WEBサイト | http://www.mirai.co.jp/ |
| 事業概要 | 電気設備資材、給排水設備およびガス設備資材の製造販売 |