株式会社ビィ・フォアード 日本一の越境ECサイトを運営。世界124カ国に中古車を販売するECサイトを展開 株式会社ビィ・フォアード 代表取締役 山川 博功　 (2016年4月取材)

海外進出での失敗と 成功へのストーリー

聞き手

当時やってらっしゃったのは、独立前からやってらっしゃった事業と同じ？

山川

そうです。車の買い取り業ですね。

聞き手

その時にワイズ山川という名前で、やってらっしゃったんですよね。
掲げてらっしゃった目標というのは、やっぱり大きな目標をかかげてやっていこうと、決めてらっしゃったんですか？

山川

そうですね。毎年毎年目標もありましたし、自分でやっている会社なんで、毎月毎月が勝負なんで、毎月を目指すと毎週も決まってくるし、週が決まったら毎日もあるわけじゃないですか？
もう当時はなんか大きなことをやってやろうというよりもやんなきゃいけないことが目の前にこんだけあって、それをなんとかその日その日を達成、予算を達成するのに必死でしたね。

聞き手

当時はじゃあ、会社として、経営者としてこういう会社を作ろうとか、世の中にこういう価値を提供しようとか

山川

そんなのないです。

聞き手

そんな高尚なことは？

山川

当時はなかったです。２０代ですよ、２０代で、借金をやっと返し終わって、そんでさっき借りた４０００万も２９歳の時に返しましたから。
やっぱり、目の前にあったんですよね。やらなきゃいけないことが。

聞き手

そこから少しづつ、業態転換というか、事業の拡大といいますか。今のビィフォワードとしての事業に移って行かれるわけだと思うんですが、その転機というのはどれくらいの時に起こるんですか？

山川

３１くらいですから。

聞き手

始めて３年後くらい？

山川

そうですね。車屋さんから仕入れて、車屋さんに売る時に車のオークション会場に出品するわけですよ。オークションに出すと買っていくのがみんな外国人の人なんですね。

聞き手

日本車を買って行くのが外国人の方。

山川

で、僕が仕入れて、要はオークション会場で外国人の方々が高く買って行ってくれるわけじゃないですか。
これは直接自分で外国に持っていけば、その外国人がもうかっている分自分の所に残るじゃんっていう簡単な気持ちでいいなって思ったんですよね。

聞き手

誰かに売らせるんじゃなくて、自分が売りに行こうというわけですよね。

山川

それで、当時まだ軍事国家だったミャンマーを始めたんですよ。タイ経由で。

聞き手

そのミャンマーやるぞって決められたのも山川社長が？

山川

友人に誘ってもらって、リスクも半分でやろうと言うことで始めたんですけど。相当馬鹿ですけど、先に車をもって行って、向こうで販売出来たら、お金を下さいねって契約内容で始めたわけですよ。
早かったですね、２５００万までいって、あれこれ全然来ないんだけどってなって、気づいたらいなくなってましたね、相手。

聞き手

２５００万円分の商品を送っていたものの、物は売れて、なくなってもお金が入って来ない。詐欺にあったんですね。

山川

詐欺ですね。

聞き手

その時のダメージは、会社としての財政的なダメージもそうですけど、精神的なダメージって大きかったんじゃないですか？

山川

２５００万だったら大丈夫ですね。その後ですよ。その後こりずにですね、新興国だとだめなんじゃないかということで、ニュージーランドで始めたわけですよ。今度は

聞き手

ミャンマーよりニュージーランドだったら信用のおけるビジネスできるんじゃないかと？

山川

パートナーも日本人、ただ支払い条件は、新規参入で後払いじゃないと難しくなっていたんで、同じようにやったわけです。２年半くらいやりましたかね。２年くらいかな。
２億５０００万やられました。

聞き手

桁が倍になっているじゃないですか。すごいことになりましたね。

山川

その時は精神的にショックでしたね。

聞き手

軌道に乗り始めたのはどれくらいからなんでしょうか？

山川

軌道に乗ったというよりもご飯たべれるようになったのは、ニュージーランド撤退して、人と同じことをやっていても勝てないなと思ってですね。
僕が先ほどお話したように車のレースをやっていたじゃないですか。車のレースの車、当時東京ドリフトっていう映画があってですね。あれが物すごく流行っていて、ドリフトの車が世界中の先進国に行っていたんです。その１つにニュージーランドもあったんですけど、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ＵＫ、その辺りに結構売れてたんですよ。それが軌道に乗り始めたきっかけですね。