株式会社ビィ・フォアード 日本一の越境ECサイトを運営。世界124カ国に中古車を販売するECサイトを展開 株式会社ビィ・フォアード 代表取締役 山川 博功　 (2016年4月取材)

借金苦を乗り越える きっかけとなった転機

聞き手

私たちの頃って大学生の頃ってちょうどバブルのはじける前でしたもんね。

山川

バブルです。時給も千二百何十円。

聞き手

華やかな時代ですよね。でも私たちが就職活動をするときにはもう本当にバブルが崩壊して、本当に大変な就職氷河期の第一期生じゃないですか、就活の時はどうでした？

山川

そうとう悔みましたね。

聞き手

もうちょっと色々とやっておけばよかったのに。

山川

先輩たちは、相当僕と同じように遊んでたのに大手銀行、大手商社、簡単にみんな入ったのに、僕らは本当にどこもかすりもしないんですよね。

聞き手

本当にそうでした。採用枠自体が大手もぎゅっと縮小されて、その時に私たちも就職活動ということで色々と進路を探していたわけですが、最初にご入社されたのは車のディーラーさんですよね。

山川

そうです、車の販売会社。

聞き手

日産の販売会社さんの方へ。

山川

そうです。

聞き手

ご入社されて、そちらにいらっしゃったのは３年ちょっとだと伺ってますが、この間にいわゆる優秀営業マンということで表彰されたりと。とにかく成績が良かったんですよね？

山川

そうですね、はい。

聞き手

車の営業も、特にあの当時はバブルが崩壊して、経済的には冷えている状態の中で、車を売るっていうのも決してかんたな物ではないと思うんですけど、成績が良かったのは何が一番の要因だったんですか？

山川

必ずトップになるという気持ちはありましたね。ならなかったらおかしいと思ってましたから。で、プラスその営業の内容も１年目の時はただがむしゃらだったのが、なんか自分の行動がむなしくなったというか、報われないなと考え始めたのは２年目からですかね。考えることが他のセールスマンと違うとところが出てきたんじゃないかと思いますけど。

聞き手

工夫しようとか？

山川

そうですね。

聞き手

で、３年ぐらいいらっしゃった中で、やっていく中でだんだんと進みたいことと、ちょっと違うずれてきたなと思われていた時期が来たんですか？

山川

店長の給料明細を見ちゃったんですね。

聞き手

見ちゃいけない物を見ちゃったんですね。

山川

これはまずいなと。で、なんでまずいかと言うと、僕は車のレースに没頭していて。

聞き手

そこにかなりな費用がかかっていらっしゃった？

山川

結果、残ったのは８００万の借金だけ。同じ２５歳の時に８００万円って。

聞き手

なかなか作れない借金ですよね。で、その中で、仕事先の上司の給料明細をたまたま見てしまって、この給料じゃこの借金を返していくのは無理だなと。

山川

まあ４０歳くらいまでかかって、自分の人生の計画が全く立たなかったんですね。

聞き手

それが２５歳くらいの時？

山川

そうですね。２５で退社したんで、そうです。

聞き手

退社した時に、次はどうするっていうのは？

山川

佐川急便の下請けで、トラックの運転手です。

聞き手

その生活を何年くらい？

山川

それはもう半年ですね。

聞き手

そのあと？

山川

で、宝石販売、宝石販売店、販売会社ですね。そこはもう飛び込みなんですね、やっぱり。

聞き手

本当に色々な経験をしてこられているわけですよね。どの辺りから今に繋がるような形になってきたんですか？

山川

宝石屋の時に声をかけてもらった、先輩が声をかけてくれて、自動車の買取店に行ったことが大きな、僕の人生で大きく変わったポイントですね。

聞き手

それがご年齢にすると？

山川

２６歳で入社しました。その会社に。そこで出会った社長、その会社の社長が本当に僕の人生を大きく変えてくれた方ですね。

聞き手

そこで、この人の下でやってみようと思った時は何か感じる所があったんですか？その経営者の方に。

山川

そうですね。初めから、なんていうんですかね。無条件に色々与えてくれるって言うんですかね。気持ちだけじゃなくて、経済面でもそうですし、なんかこうすべてを受け入れてくれて、やらせてくれるんですね。これはすごいと思いましたね。本当に楽勝と思いましたね。

聞き手

仕事が？

山川

はい。

聞き手

でもそうなんですか？

山川

すごい楽でした。

聞き手

何が楽だったんでしょう？

山川

僕は日産と宝石の営業を経験しているんですけど、当時の自動車買い取り業の営業ってまだ、営業のプロの人が参入してきている状態じゃなかったんですよね。
そうすると、ポイントをある程度勉強させてもらってきたじゃないですか。そうするとですね、古い新しいの問題じゃなくて、営業になっていなかったんですよ。この業界の営業は。
そうすると僕の知っている知識と経験が、もろにすぐに数字に反映できる環境だったんですね。３カ月でセールスマンを全員抜いて、半年後に営業をやられていた中小企業だったんで、社長も抜いて、半年で事実上ナンバー１になりました。

聞き手

すごいですね。

山川

そこにいらっしゃったのが、１年半。

聞き手

で、それをやってみて、自分でやろうとなるわけですか？

山川

はい。師匠がやってみないかと、

聞き手

その当時の社長。

山川

やってみるかと。やってみますと。で、すぐに４千万を貸してくれて、２ヶ月後には自分のお城を持てました。