メドピア株式会社 全国10万人、医師の1/3が利用する医師向けコミュニティサイト『MedPeer』を運営 メドピア株式会社 代表取締役 石見 陽　 (2015年10月取材)

メドピアの”集合知” サービス

聞き手

なんとなくイメージの中で医療業界って、結構閉ざされた世界というか、そういうイメージが強くて。お互いにあまり教え合ったりするような助け合ったりするようなイメージが実はあまりなかったんですけど。実はそうじゃないんですね。

石見

そのイメージは実はま逆で、もちろん閉鎖された世界ではあるんですけど。患者さんを治すという意味では、完全に一致しているんですね。患者さんを例えば自分の専門の病気を持っていう人は大体糖尿病ももっていることが多くてその時には循環器の医師は糖尿病の医師と連携をしながら１人の患者さんを診ていくので情報をシェアする、経験をシェアするというのは一般的に常にやっていることですね。それがメドピアがある意味成立している理由で、おそらく自分たちの経験を積極的にシェアしていく文化は医者の中ではかなり一般的な考え方ですね。

聞き手

学会などで情報を共有していたものをネット上でやってしまおうと、しかも学会とかになりますと専門分野の所しか参加をされないのがありとあらゆる分野をネット上で見ることができる、知ることができるという医師専門サイトじゃないですか。一般の方やそれこそ、製薬会社にいらっしゃるからと言って、そこに会員として入れないわけですよね。その人が果たしてほんとうにそうなのかって所はネットってなりすましじゃないですが、っていうようなところで。見極めが結構難しいんじゃないかとおもうんですが。

石見

おっしゃる通り医者は基本的には保守的な職種なので、かれらが安心できるスペース、安心安全なスペースが絶対に必要だと思ったんで。医者の資格の確認の所はアナログを入れていて、医師免許証って症状みたいなのがあるんですけど。あれが登録の申請があったら画像で送ってもらうと。あとは事務局から登録の申請があったら先生の勤務先まで電話をして、その先生の本人の登録かを確認するというので、全部その認証を通った人達だけが会員になれると。いう仕組みをとってます。

聞き手

なかではお名前を出されているわけでは無くて。

石見

名前を出しているところもあれば、実名、匿名のサービスもありますし。あとは半分だけ匿名、質問を投げかける人は匿名、答えてくれる先生は実名、それは半匿名と呼んでいるんですけど。３つのタイプがありますね。なんで混在しています。

聞き手

ネット上でおこりうる炎上じゃないですけど。そういったことは。

石見

それはあります。炎上が起きるのではなくて、１人の患者さんあくまでも医療行為ではないんですけど、限られた方法の中でこんな患者さんがいますと。それに対して、アンサーがいくつかついたりするんですけど。１人１人答えが違うというのも１つのファクトなんですね。なのでそれが建設的なやりとりであればとめないと。最終的には質問を投げかけた先生が患者さんは最後にふれて分かるものなので。ネットで完結は絶対にしないので。最後の責任は主治医の先生が持ちます。なので逆に言うと、多様な意見がある方が良くて。炎上しない限りはOKにしていますけど。実際にメドピアの中で、先ほど認証をしっかり取っているというところでもあって炎上することはほとんどないんですね。はい。

聞き手

実際に会員登録された方の中だと。個人クリニックというか、そういうところのお医者さんがおおいんですか。

石見

実は開業医個人クリニックは開業医、それ以外は病院勤務している先生は勤務医というんですけど。勤務医は７割で、開業医が３割ですね。

聞き手

逆なんですね。

石見

おっしゃられた通り開業医の先生方にすごい便利なサービスだと思うので、開業医の先生方にもっと訴求していきたいという気持ちはありますけど。おそらく開業医の先生がたって平均年齢が高いんですね。ある程度勤務医をしてから開業をされるので。やっぱりITの世界なので、より勤務医の方が現状は受け入れやすいと。いう状況が生まれているのかもしれませんね。　　　　　　　　実は先ほど医者同士の相談、Q＆Aも１つの集合知で。我々で一番最初の集合知。集合知って当然いくつか構成されていうものがあるんですけど。１つめの集合知が薬剤評価。薬のタベログをスタートしたのが５年前ぐらいですかね。こちらがメドピアの中での一番盛り上がっている集合知のサービスですね。医者が１人１人にたいして薬を出すわけなんですけど。患者さんは本来であれば飲みたくない物。のんだら何が起きるんだろうとやっぱり不安なんですけど。処方する医者も不安なんですよね。目の前の患者さんは当然治ってほしいんですけど。風邪薬でもそうなんですが、すべての薬はリスクがあるんですね。いいところがあれば必ず悪いところがあると。この薬をつかったらどういう副作用があるんだろうとか。実際の頻度ってどれくらいなんだろうとか。どういうタイプの症例にあっているんだろうとか。１人１人の慣れ値になっていたんですけど。それが自分の知り合い。医局病院レベルでは共有されていても全国レベルで共有はされていなかったので、それをメドピアがインターネットの力を使かってメドピアが集めてきてをそれを共有する集合知なんですよね。切り口の１つですね。

聞き手

はじめられる前から薬の情報を共有するサイトがあったわけですよね。

石見

薬の説明書と言うか、あとは製薬企業からの情報伝達するチャンネルはあったんですけど。そこにバイアスのない医者の生の声の場所がなかったので、そこを我々が新しく提供した価値ですね。

聞き手

タベログとおっしゃってましたけど、ぐるなびみたいなものがあったんですよね。

石見

ぐるなび的なサービスがあって、そう意味ではそちらは正しい情報ですね。だけど一次情報ではないというか。患者さんを使っての実感というのは、たとえば製薬企業にいる方とかは不確定な話になってくるので言えないし。以前からあるような製薬メーカーの情報提供を手伝うようなサイトは生の声は言えないので。こちら側がいらないという意味でなくて。こちら側の情報と我々が提供するバイアスのかからない情報というのをミックスすることで医者に正しい判断をして頂こうというコンセプトですね。