Vol.2 経営者を志した経緯
インタビュー内容
02.経営者を志した経緯
聞き手
実際に、そういったお仕事に就かれていかがでしたか。
溝口
トレーナーに関して言えば、プロのアスリートのそばで仕事をしていた時は特に私の場合は、同世代のアスリートと関わることが多かったので決して楽しいという感情ばかりではありませんでした。
最初はそういった華やかな世界でありますから、色々目新しいものの連続でわくわく感もありましたが、それが恒常化していけば残るのは同世代で活躍している選手に対しての劣等感が大きくなってきました。
例えば、彼らはファンに対して、ファンサービスなどよくありますけども、極端に言ってしまえば色紙に名前を書くだけですが、それでも涙を流して喜んで走り去っていく子供たちですとか、彼らのファンを見ていて、自分との価値の差というものをまざまざと見せつけられ、色々と思うことがありました。
年齢も、普段は何か変わることもないですが、自分も男なので、その中で言うと自分自身とは全く異なる世界で活躍していて、価値が高い彼らとそうではない自分とで非常に思うところがありました。ですからここからトレーナーという道もそうではあったのですが、もっともっと自分の影響力だとか自分の存在価値を上げられる方法はないだろうかと漠然と思っていました。
聞き手
その当時、いらっしゃったスポーツジムでまかされてらっしゃったお店のほうで経営が芳しくなくて。
溝口
栃木県宇都宮市で私どもの会社で年商約10億円、従業員約100人、設立約20年弱の中小企業で約5億円の資金で新しく店舗を出したのですが、私は本社から実際1人で行き、現地で人を採用し、トレーナーや人材の育成をしてそのプロジェクトに携わっておりました。しかし、結果として2年経たずに閉鎖することになり、そこで採用した数十人のトレーナー、インストラクターの方、さらには約1500名の会員のお客様に辞めていただくことになり、その経験は私にとって大きかったです。またあまりに辛かったです。
聞き手
やれどもやれどもうまくいかない、という中でも経営が上向かないという状況を感じてらっしゃったということですよね。
溝口
そうですね。それこそいろんな策をそれこそ万策講じたといっても過言ではないくらい取り組みをしていたのですけれど。
聞き手
市議まで掛け合ってそのお店、ジムが残るようにされたと。
溝口
そうですね、その時にも悔しい思いをしましたが、力がなければ、極端に言えばどんなに思いが強くても叶えられなく、誰も救えない、誰も助けられないと。
その時に私の場合は、アスリートの人たちと触れることが多かったので、彼らの姿が浮かびました。実際に存在価値の高い彼らと、私との差ですね。彼らのような人物であれば、従業員の首を切ることもなかったと思いますし、あれだけのお客様を泣かせることもなかったと。もっともっと自分が成長していればですとか、自分の器が大きければということを思い、もうこういう後悔はしたくないと、その時強く思いました。
聞き手
色々なご経験から、よしじゃあ起業しよう、力を持てる人間になろうと思われたのが24歳の頃と。
溝口
はい。その時は本当に影響力や力を持った存在を思い浮かべたときに、例えば私が関わったアスリートの人たちや、あとは一般的に芸能人の方など、そういった方が浮かびました。ただ、自分がそこからアスリートになるとか、芸能人になるということは想像もつかないですし、可能性として極めて少ないと。その時に、経営者の方々とその時からお付き合いもありましたし、孫正義氏や少し前に話題になった堀江貴文氏などの、影響力のある方々の顔が浮かびました。彼らのような存在であれば、自分も可能性としては現実的には残されているかと思いまして、起業というものをそこから想像するようになりました。
経営者プロフィール
| 氏名 | 溝口 勇児 |
|---|---|
| 役職 | 代表取締役社長 |
会社概要
| 社名 | 株式会社FiNC |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都中央区銀座3-9-6 銀座マトリックスビル5F |
| 設立 | 2012 |
| 業種分類 | サービス業 |
| 代表者名 | 溝口 勇児 |
| 従業員数 | 100 名 |
| WEBサイト | https://finc.co.jp/ |
| 事業概要 | 1. FiNC ダイエット家庭教師 2. 法人向けサービスウェルネス経営ソリューション 3. FiNCオンラインワークス 4. プライベートジム事業(銀座/赤坂・永田町) 5. ヘルスケア情報に特化したニュースキュレーションアプリ「WellnessPost」 6. 遺伝子及び血液検査等各種検査サービス |