Vol.3 ウェザーニューズの強み
インタビュー内容
ウェザーニューズの強み
聞き手
気象庁が出してらっしゃる予測と、御社がされている予測とその精度の部分と言いますか、それで言うと何か違いだったり、どちらの優劣があるとかその辺りはいかがなものなんでしょう。
草開
これはですね、よーいどんで出すと、気象庁さんも頑張ってらっしゃるので、ウェザーニューズの方が良いとかいう事が必ずしもあるかどうかっていうのは、はっきりとは言えないんですけども、ただ一番重要なのは、何を目的に出されているかっていうところの差があるんだと思うんです。
一例を挙げますと、私達が航空会社に今提供してるサービス中で、Go or No-Go Decisionサービスってあって、例えば、これから成田からソウルインチョン空港に行こうとしている飛行機に対して、インチョン空港の天候次第では、ダイバートしたり、ないしはディレイをかけたりという判断が必要なんですが、これは実はこういった国際空港は、韓国の気象庁さんが3時間毎か6時間毎に予報を出したりしているわけですね、一般的な予報、例えば、雲はどのぐらいの高さになるかな、それから風はどうなるのかなっていう所なんですね、ところが、私達がやっているのは、そのフライトが飛ぶ2時間位前に、飛行計画を作るんですけども、最新の情報を元にインチョンがどうなるのか、且つ、私達が行っているのは、例えばインチョンですと、大韓航空がどれぐらいの条件だったら降りられる、どれぐらいの条件だったら、これをダイバートしなくちゃいけない。これを頭に入れて提供するんですよ。
ですので、目的は何かというのが分かっているのと、分かってないわけではないんですけど、具体的な大韓航空にじゃなくて、あそこに飛んで行く全てのエアラインに対して出す時には、そこまで拘ってられないですからね。大体こんな感じって出さざるを得ない、この差じゃないですかね。
聞き手
確かに、民間企業だからこそ、成し得る技というか。
草開
まさに、日本の気象庁さんが1995年に気象業務法の改正の中で、パブリックサーバントを包む気象庁。ですから、みんなの気象庁台として。それに対してウェザーニューズはあなたの気象台、今はそのBtoSで代表される情報交換がベースになりますので、あなたの情報交信台って私達は言ってるんですけど、そういう役割を非常に明確にされたというのは、私達にとっても凄く有り難い話ですし、気象庁さんにとっても非常に分かりやすい例じゃないかなと思います。
それともう一つはですね、やはり予報を行う人というのは、誰かの為にそれを行うってのがあって初めて、先程申し上げた様に、何を目的に予報を出すかによって大きな差があるんですってお話をしましたけども、やっぱり例えば相手がコンビニエンスストアの店長であるならば、そのコンビニエンスストアが仮に駅前店であれば、これは雨が降った時にパンや牛乳が売れないんだなと、だから明日雨がどうなのかってのが重要なんだなっていう事で、多少弱い雨だったら、それはパンやら牛乳持っても傘要らないレベルだから、雨だと言わないんですよ、コンビニエンスストアにとっては。そういう所を理解して出す情報と、単に気象的に、ピシャってちょっとでもアスファルトが濡れたらこれは雨なんだっていうふうに出す予報じゃ全然違ってしまうわけですね。
こんな事を理解して提供する事が出来るのが本当の予報士だから、私達は予報士の士を、士ではなく、あそこを志に変えて、ウェザーニューズが目指すのは、予報士ではなく、志の方なんだと、志を持って情報を出す事が重要なんだというように我々の中では理解しています。
経営者プロフィール
| 氏名 | 草開 千仁 |
|---|---|
| 役職 | 代表取締役社長 |
会社概要
| 社名 | 株式会社ウェザーニューズ |
|---|---|
| 本社所在地 | 千葉県千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデン |
| 設立 | 1986 |
| 業種分類 | 情報・通信業 |
| 代表者名 | 草開 千仁 |
| 従業員数 | 742 名 |
| WEBサイト | http://weathernews.com/index.html |
| 事業概要 | 気象の観測、解析、分析、予測 |