Vol.2 価値観
インタビュー内容
価値観
三宅
地方で製造業の方、旋盤工の方、メッキ工の方が路頭に迷った場合に、再就職できるかというと、なかなか出来ません。その従業員の方には家族がいて、高校生や、息子さん娘さんがいらっしゃる。高校中退とか大学進学をあきらめるなど子供さんの人生にまで影響を及ぼすことになります。
そういう状況を避けなくてはいけないというので、M&Aで存続させようという事を考えています。これ以上は発展できないと思っている会社が多いのですけれども、一方で買い手市場にも活気があります。ですから、「存続と発展」のこの二つを企業理念に掲げています。
三宅
それだけではなくて、社員が働くことによって、みなさんに紹介していただく、社会貢献を行う事で、心が満たされていくという事と同時に、経済的にも満たされていくという、物心両面の満足を得ていくという事を経営理念にしています。
三宅
譲渡企業様にとっての成功というのは、4つあると思っています。一つは今抱えている問題点、後継者がいない、先行きが不安であるなど、抱えている問題点が解決する。後継者がいなければ買収してもらうことで、買収企業から経営者が送り込まれてきて、代わってもらいえるという事が一つ。
二つ目は連帯保証や担保をすべてきれいにしてもらい、株が3億や5億で売却できるという事ですから、キャピタルゲインをとってもらい、ハッピーリタイヤすることができる。
以上の2つは経営者にとっても成功のチェックポイントです。
三つ目は買収されることによって、新しい夢がもてるようになる。これが三つ目。
四つ目は相乗効果によって会社がより発展していく事ができる。この4つが全部満たされてはじめて成功と言えます。
三宅
四国に今治というタオルの産地があるのですが、中国や台湾から安いタオルが入ってきているので、なかなかいいタオルを作っても売れない。
その中でもすごく頑張っている会社があったのですが、夫婦でずっと創業から頑張ってこられたのですが、後継者がいなくて、奥様が倒れられて、てんやわんやで大変だと、妻の看病とかそばにいてやることすらできない。
これは情けないと、実際に人は倒れるのだなと、妻が倒れて自分も倒れたら、会社が倒れてしまう。そうすると社員も路頭に迷ってしまう。これは困ったということで、相談に来られました。
この会社を購入したのは大阪の現金問屋さんでした。洋服や繊維の現金問屋さんとしては日本で一番大きい会社なのですが、中国などから安物がいっぱい入ってくると、今は日本でナンバーワンですが将来はどうなるかわからない。ここは高級路線に行こうと考えていたのです。
三宅
なぜ買ってくれたかというと、今治タオルは世界一のブランドだと、これを世界のブランドにしようと、ワールドワイドなブランドにしよう品質は世界一なのだからという理由でした。
買収した後、世界ブランドにするために、今年はパリの見本市、来年はニューヨークの見本市と、どんどん出品していくのです。従業員は贈答用のタオルなどを作っていたのに、突然パリの見本市ですよ。パリの見本市に出すものを作れといわれて、デザインも工夫して、自分がパリまで行って説明するわけです。
三宅
それはもう社員は、やる気が出て頑張っている。新しい夢が持てるようになった。しかも現金問屋なので販売力では日本一ですから、この2つがくっつくことによって、相乗効果が生まれて、会社も大きくなっていく。
社長はというと、ようやく仕事から解放されて、連帯保証からも解放されて、奥さんの看病をやっておられます。しかもそうなってくると奥さんの病気も治ってきたんですね。それで今では社長も自分の趣味を持たれて、仕事一辺倒だったのが初めて地元の人たちとも交流して、すごく幸せに暮らしておられるので、こういうのがM&Aの良いところではないかと思います。
経営者プロフィール
| 氏名 | 三宅 卓 |
|---|---|
| 役職 | 代表取締役社長 |
| 生年月日 | 1952年1月18日 |
| 出身地 | 兵庫県神戸市 |
会社概要
| 社名 | 株式会社日本M&Aセンター |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館19階 |
| 設立 | 1991 |
| 業種分類 | サービス業 |
| 代表者名 | 三宅 卓 |
| 従業員数 | 258 名 |
| WEBサイト | http://www.nihon-ma.co.jp/ |
| 事業概要 | 中堅中小企業を対象にした友好的M&Aの支援 |