山芳製菓株式会社 『わさビーフ』が有名な菓子製造メーカー。競合他社と一線を画した商品開発で成功 山芳製菓株式会社 代表取締役会長兼社長 山﨑 光博　 (2016年6月取材)

「人につくし 人をつくる」 経営理念

聞き手

物を作るっていう時の山芳製菓の根底にあるものはなんですか。ものつくりでここだけはと思ってらっしゃることは。

山崎

それが当たり前のことだろうけど、安心、安全、正直ってところが本当のベースにある。で、うちのクレドっていって信条は健やかなおいしさつくりをしていきたい。健やかなおいしさつくりというとどなりに向けてはちがうかもしれないやっぱり健康という言葉を健やかって言う言葉に変えているだけで。健やかなおいしさつくり。おいしものは良薬は口ににがしなのかもしれないけど。体に良いものは美味しいんじゃないかとおもうですね。本当にからだに良い美味しい物をつくって行きたいなと言うところから健やかなおいしさつくりというモットーにしてますね。やっぱり我々の押しつけもあるんだけど。おいしさというのはとっても大事でね。私がおいしいと思う。うちの人間がおいしいと思うも大事だけど。やっぱりモニタリングとかしながら私たちの意図を受け止められる、受けとめてもらえるんだろうか。だからモニタリングもらい時だなって。それもこれからも色々とやっていくつもりだけど。基本的にはわが社の人間が、自分の足で実際に消費者の方にお会いして、生の声を聞いて行くということを重視しています。

聞き手

マーケディング会社に尾お願いするのって簡単だと思うんですね。で、上がってきたデータを見るだけでは社員の方では感じ取れないものがあるので自分たちの足で町の声を集めるのを心掛けている。

山崎

そうですね。足でそう言った情報を取るのも、もちろん大事だし、それからそういう会社さんにお願いすることもゼロじゃなくてね、意味もあると思います。それからそう言ったものをベースに町をウォッチングしていくとか、あるいはそのターゲットの人達の中に入っていって、ポテトチップだけじゃなくて、一般的なよもやま話してくるっていう。という色んな多角的に情報を取ってくることが大事じゃないかと思いますね。それからあるいは逆にもう１つの切り口としてはこれはおいしいらしいよ。どうっていっても、やっぱり弱いですよね。自分がこれを食べたい、めちゃうまいじゃん。だからどうって言う方がと思うんですよ。なにを食べたい。どんなものを作りたい。この思いも大事だと思います。

聞き手

売れるものを作らないといけないというような意識はおありですか。

山崎

これはね、いつもいっているんだけど、なかなか浸透していないかもしれないけど。営業会議があったり、マーケの開発の会議があったりね。それから営業の会議があったり、役員会議があったり、いろんな会議がありますけども。マーケの会議は、私は当たり前だと思うんだけど。こちらからの目線で、お客様にどういうふうに売って行くかというのも大事は大事だけど。 それ以上に大事なことは、やっぱりお客さんの目線に立った時に、A社はどうしたら売れるか、どうしたら売り上げが上がるか、どうしたら結果として利益がでるかということを一生懸命考えている会社とB社は、お客さんがどうしたら喜んでいただける、どうしたらお役にたつ、どうしたらお客さんを驚かすことができる。そういうことを一生懸命考えている会社が普通は見えないけど。万が一もし見えたとしたら、お客さんはどっちを選ぶって。私は間違いなくB社じゃないのって思うんです。それは企業の姿勢だったり、パッケージだとか名前だとか味だとかに知らず知らずにでてくるところがあるんじゃないかというふうに思うんですね。ですから、売れることも大事だけど、売れる売れない、消費者の方にどれだけ受け入れてもらえるかってこと、結果だと思うんですね。そのことだって売れるってことと一緒でしょって言われたらそれまでだけど。私はその基本的な姿勢は違うと思うんですよね。

聞き手

そういったお考えが御社の理念である人につくし、人をつくるというような所にも繋がっていくんですかね。

山崎

そうですね。ですから、埼玉工場で経営計画書をつくらないといけないところに、作ったものなんですけど。ずっと変えてきてません。だけど、最近思うのは、ある女性の経営者が、経営理念がそこの会社が、愛だっていうんですよ。えっその一言だけなのって、愛はすべてを表すって、それはそれで自分がいいと思えばいいし。社員さん達もいいと思うんだったら、それはそれでいいよなって思ったんですけど。私はいまのうちの人につくし人をつくるっていうのに愛をもってっていう言葉を入れようかなって思ってる。愛をもって人につくしていくという、あるいは誠実にって言葉がいいと思っています。