株式会社イトーキ 売上高1,000億超、創業120年超のオフィス家具、事務用品の老舗企業 株式会社イトーキ 代表取締役会長 山田 匡通  (2016年3月取材)

Vol.4 大赤字から復活を遂げた大改革

インタビュー内容

大赤字から 復活を遂げた大改革

聞き手

65歳の時にこちらに取締役として入られて、主には財務面から企業を支えるといったことをやってらっしゃった。

山田

そうですね。イトーキに来て、なかなかいい会社だし、従業員の方も非常にまともで真面目で、なんとなく優しいですね。非常にいい会社なんだけども。
ところがね、リーマンショックがあったでしょ。僕が来てから1年後にリーマンショックがあって、そのインパクトでイトーキが大赤字をこいたんですよ。もう完全に直撃されましてね、売り上げが25%落ちてですね、なんと営業利益が53億マイナス、20億、30億とだまっていても利益を得た会社が53億の営業利益のマイナス、色んな会計上の処理で持って、当期利益が83億という始まって以来の大赤字。

聞き手

リーマンショックというのは大きな影響だったんですね。

山田

どうしようもなかったんですけど、そこで初めて、やばいという。そこであの本格的に経営をやらないといけない、立て直さないとだめだということで、はじまりまして。
色んな改革をしてきましたけど、1つは生産体制を強化しないといけない。
そこで僕の三菱時代の、今はトヨタの渡辺捷昭社長、今の前の社長ですけども、その方が三菱証券の時の社内取締役になって頂いたことがあって、その人に色々ご支援を頂いて、トヨタから生産本部長に来て頂いて、生産体制の改革と、それからイトーキの全体の売上を伸ばす会社ではあるんだけど、利益が上がって行かないという、利益に対する意識が弱いということで、ぼくは銀行マンですから最終的には利益が重要なんだということを中で大いに説きましてね、意識改革。
基本的な考え方として利益を追求するっていう。利益っていうのは企業の最終目的ではない、企業の存在というのは、その企業が存在することで、どれだけ周りがハッピーになるかということ。それしかないと思うんですよね、企業の存在価値は、存在することによって周りの社会が、社員がどのくらいにハッピーに出来るかという、それが企業の存在の意義、簡単に言うと、そのために企業というのは存在する。だけど、人々をハッピーにする事業を継続的にやって行くには、どうしても利益をあげくてはならない。利益を上げないと継続できないんですよね。
お客様の満足を得るために新しい事業を展開するためには新しい投資をしなくてはならない。あたらしい開発をしなければならい。そのためにはそれを支える資金が必要、それは利益から出てくるわけ、利益というのは必要条件なんですよね。それがないと目標の達成ができない、同時に。利益というのは社会に貢献したという評価というか結果なんですね、利益によってどれくらい社会に貢献したかを測定できる。その指標であるわけ、今の会計原則の中では、その2つの面から、社会に貢献しているってことが確認できる。その利益によってさらに新たな社会に対するはぴネスを供給する。だから利益というは必要条件であると、十分じゃないけど。このことを一生懸命説きまわって、だんだんその意識が高まってきてます。
ですから利益率は安定的に改善してきてますからね、十分じゃありませんけれども。
売上も伸びていかないとマーケット全体のシェアが一定のレベルで増えていかないと、社会にハピネスを提供するという、その影響度は、売り上げが減ると小さくなりますから、売り上げは伸ばさないとならない、売り上げを伸ばすと同時に利益が伸びていかないといけないということで、ぼくの利益の測り方は少なくてもROEはナンバー1、それから営業利益率、これもナンバー1、安定的に維持したいと、少なくとも2018年や20年には両方とも、営業利益率、ROEともにナンバー1になるのを1つの目標にしてやってますけど。

聞き手

清水

聞き手


経営者プロフィール

氏名 山田 匡通
役職 代表取締役会長

会社概要

社名 株式会社イトーキ
本社所在地 大阪府大阪市城東区今福東1-4-12
業種分類 その他製品
代表者名 山田 匡通
従業員数 3333 名
WEBサイト http://www.itoki.jp/
事業概要 オフィス関連事業、公共施設事業、オフィス建材関連事業 、設備機器事業 、パーソナル空間事業 、海外関連事業
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