八海醸造株式会社/株式会社八海山 日本酒『八海山』でお馴染み。世界へ挑戦する新潟の酒造会社 八海醸造株式会社/株式会社八海山 代表取締役社長 南雲 二郎  (2015年9月取材)

Vol.5 日本酒以外へ商品展開する真意

インタビュー内容

日本酒以外へ商品展開する真意

聞き手

今はお酒以外にも、いろんな物を作る事業をやってらっしゃいますよね。これもやっぱり一つのチャレンジという所ですか。

角田

これには2つ理由があって、日本酒造りっていうのは、米を使って麹を作って、麹を発酵させて作るんですね。工程は複雑なので、各工程で商品になる可能性のある物質が出来てくるわけですよ。ですからそれを何とか商品化に出来ないかっていう事を取り組むためということが1つ。もう1つは、僕らは営業マンですから。非常に積雪の多い所ですので、雪が降るって事は季節感が豊かなので、その地域独特の食文化ができるんです。その代表が、漬物だとか味噌だとか、いわゆる発酵食品なんですね。それで、僕らは発酵食品に携わっているので、漬物発酵食品などを発信するべく漬物屋をやったりとか、そういう2つの理由で、他の食品に取り組んで挑戦しているという事があります。

で、今非常にお陰様で皆さんからご支持を受けてますけど、この甘酒なんかは、正に酒造りの元は甘酒なんで、ノンアルコールで、自然な甘みと後はアミノ酸が非常に豊富ですから、ある程度健康食品的な。

聞き手

女性の美容にはすごく良い、といろんな女性誌に今取り上げられていますよね。

角田

そうです。日本酒もそう。僕も肌が綺麗だと思うんですけど、

聞き手

はい、本当に肌がお綺麗で。

角田

日本酒のせいじゃないかなと思うんですけど、それの元になるような物だとかそういう事では、甘酒だとか、塩麹だとか、そういう加工食品を販売して。まあ割合それは、成功例の方でしょうけど。

聞き手

ちなみに麹を使って今、それこそ化粧品だったりとか、そういったものを作ったりとか結構多いじゃないですか、そういういわゆる化粧品や美容のものっていうのとかも。

角田

それは我々、乳液とか、乾燥肌に通物や、ハンドクリームなどは一応作ってます。新しい日本酒以外の商品に取り組むというのはですね、僕一つのブランドとか、そういうものっていうのは寿命があると思うんですね。

例えば、青春八海山っていうブランドを、何もしない、全国の8割方の方々が分かってくださって何もしないと、その商品の寿命っていうのは、やっぱり人間の寿命と同じで、多分決まるんだと思います。で、その事を、寿命を伸ばす為に、色々なメンテナンス、まあ営業活動もその一つ、また新しい商品を出して、その一部の商品をもう一回注目し直してもらうとか、そういう取り組みをやりながらしていかないと、寿命が決まってしまうと思うんですよ。

そしてそれと同じで、一つブランドが出来て、それだけに頼った営業をしてしまうと、今度は逆にブランドに傷がつく、あまりに俺達が八海山ブランドだけに頼った営業をしていると、いつかはそれに頼り過ぎて足腰が弱ってくるというか、そういう事が起こると思ってるんですよ。ですから、ビールでも、焼酎でも、他の梅酒だとか何とかっていう物でも、営業面に置いて、八海山だけじゃなくて、我々はアルコールを通じて、生活提案が出来ますよっていうような、逃げ道を作る、作った営業をしていかないと、八海山の寿命も落ちていくと思うんですよ。八海山ばっかり八海山だけ飲んでりゃいいんだって、たまにはワインも飲みたいし、ビールも飲みたいし、いろんなものを提案出来るような営業力を持たないといけないという事で、アルコール飲料に関してはそういう物を作ると。

後は八海山というお酒を造っていく中で、麹を使ってこんな物ができるんですよ、八海山というこんなに美味しい甘酒ができるんですよという、色々な活力を与えるような活動をしている事によって、八海山っていうブランドの傷みが少なく、長寿になって長い信用力を得た商品になっていくんじゃないかなって思うんです。そういう取り組みは、八海山ブランドを如何に際立たせているか、長持ちさせているかっていう行為の一つでもあるんですね。

聞き手

なるほどですね。

角田

もちろん、注目を集めて、ある程度営業の一端を担えばそれに越した事はないですけども。


経営者プロフィール

氏名 南雲 二郎
役職 代表取締役社長

会社概要

社名 八海醸造株式会社/株式会社八海山
本社所在地 新潟県南魚沼市長森1051番地
設立 1922
業種分類 食料品、飲料・たばこ・飼料製造業
代表者名 南雲 二郎
従業員数 147 名
WEBサイト http://www.hakkaisan.co.jp/
事業概要 清酒「八海山」の製造、並びに酒類の卸、八海山泉ビールの醸造、魚沼地域の産物・加工品の販売
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