株式会社マエノ薬局 創立80年の老舗企業。全国実力薬局100選にも選出 株式会社マエノ薬局 代表取締役 前納 秀夫　 (2014年2月取材)

開発秘話

前納

これは、僕はその後の薬局の仕事にものすごく影響したなと思うんですが、自分は漢方相談というのを一つの自分の職能の武器にしたいと思ってたので、店頭はその漢方、半分ぐらいは漢方薬、民間薬なんかも含めて。今はあまりそういうお店が多くなくなって、当社の店頭もウエイトが低くなっていますが、いわゆる店の半分ぐらいは漢方薬や民間薬などの生薬類でいっぱいにしたんですね。それでそれをやっていたおかげで、患者さんの相談した記録というのは、いわゆるお医者さんではカルテに当たるものが、うちにくるお客さん全員分があるわけです。それで、いわゆる患者さんの容態だとか、記録だとか、家族構成だとか、そういうものを全部記録していた薬歴簿というのがあったものですから。

前納

それがどういうふうに役立ったかというと、それがその後医薬分業になった時に、いわゆる患者さんの健康面も含めた情報が、その1枚の薬歴に記録されているわけです。もちろん5年、10年かかってくると、それが厚いものになっていくんですが、4枚、5枚、10枚となってはいくのですが、その記録があったことが、どれだけ薬と患者さんの生活というのを、うまく結びつけて、情報として蓄積されたかというのは、それはとても大きかったと思うんですね。

前納

それで、それがたぶん薬歴加算というのは、保険の制度の中で加えられるまで、自分が処方箋を受けて医薬分業のほうに進んだ後、たぶん9年以上経ってからだと思うんですね。だから当然それは、薬剤師会とか厚労省にも興味を持っていただけたことで、自分たちが日ごろコツコツやっていることが、制度の中に取り入れられたという意味では、漢方で培った薬歴というのが、その後の分業になった時の薬歴と、もう自然の流れの中で、作り上げられていったというのは、うちのサービスの原点になっている気がします。