マイクロ波化学株式会社 29億円の資金調達を実施し 約500兆円の化学・エネルギー市場に挑む阪大発ベンチャー マイクロ波化学株式会社 代表取締役社長 CEO 吉野 巌　 (2016年6月取材)

今に生きている 商社マン時代の経験

吉野

幼少って意味では、小学校を海外に行ってまして、小１から小６までずっと海外にいて、オーストラリアとアメリカにいたんですけど、そういう意味では、普通の子供ではありましたけど、子供のころからいろんな異文化というが、色んな人の中にぶち込まれてですね、過ごしてきたというのはありますね。

結構ものごとをはっきりと伝えないと、伝わらないなというのは子供の時から思ってましたし、仕事をするようになってからも思ってはいますよね。好きなことができたりすると、ずっとそのことをやるような子供ではありましたよね。没頭するというか、周りでなにが起きても気づかない。今でもちょっとありますけど。

吉野

就職をした時もバブルのピークだったので、１９９０年の卒業なんですけど、とにかく海外にいきたいなと思って、商社に入ってですね。結構いろいろと皆さんの話を聞く中で、ＯＢのですね、話を聞く中で、商社ってメーカーさんと違って物もないし、銀行みたいにお金もないので、１人１人で人間が勝負するようなところがあるなと思いましたね。そいうところに行くと自分を鍛えられるんじゃないかなと思って、行ったというのもありますよね。

吉野

化学品の営業に配属されてですね、泥臭い営業から、トレーディングですね、まで色々とやってました。学生から社会人になってですね、比較的あまり何も考えていない学生時代から、商社マンになって、営業をするわけですけど、なかなか営業に驚くことばっかりなわけですよね。

その中で今でも覚えているのはある上司に言われたんですけど、名優になりなさいみたいな、俳優ですね。自分自身がこういう営業マン、ビジネスマンになりたいというのがあった時に、自分自身はなかなかそのレベルまで達することはできないんだけど、なるべくなれるようにですね、演技をしろと。演じなさいというのをよく覚えてますね。名優になればなるど、演じている自分と実際の自分の差が無くなってきて、その時に初めてビジネスマン、あるいは営業マンとして、いいビジネスマン、いい営業マンになれると言われたのを覚えていますね。

自分がそのままでやっていても結局なかなか要求されているレベルには到達しないわけだから、そこに向かって自分自身を一流のビジネスマンに演じることで、多少でも近づけることができるんじゃないかとおもいますけど。わたしにとってはすごくいいアドバイスでした。