株式会社ムーンスター ゴム靴製造販売日本一。海外にも展開する創業140年超の老舗靴メーカー 株式会社ムーンスター 代表取締役社長 猪山 渡　 (2016年5月取材)

未来を見据えた 同社のブランディング戦略

聞き手

次の１０年に向かってＭＳビジョン１５０というのをやっているんですけど、また新しい展開をいくつかやっているんですか？

猪山

これは１４０周年を迎えたと時に、１４０周年に何かをやらないといけないということで、単純にお祝いじゃなくて、次につなげるようなことをやろうということで、ブランディングをやり始めたんですね。なんかこう社員にたいしてのモチベーションといいますか、ディレクションを与える意味では何か旗印が必要だったんです。それで新しくコミュニケーションロゴマークというものを作ったんですね。いまはそれをすべての商品に入るようにしたんですよ。このマークを見たら、ムーンスターの商品だと分かって頂けるようにすべての商品にこのマークを入れようとお客さんの目に止まる。
例えば、店頭、お店の棚とか、ああいうとこに見えるように、ＰＯＰとか、販促物とかには必ず入れるようにしようと、それがお客様との接点には必ずこのマークとして、ムーンスターというブランドとお客様を結ぶという意味でコミュニケーションロゴマークを作ったんですね。社内向けには、新たにモチベーション、社員の気持ちを統一するブランディング新しいムーンスターとして出発するんだと、社内向けには社訓と経営理念を一新したんです。社訓は今までなかったんですけど、ご創業家で家訓として受け継がれた言葉があって、その言葉を新たな社訓としてもうけたいとご創業家の了解を得て、社訓としてもうけました。「走る者は躓きやすく、つま立つ者は倒れやすい、堅実なる一歩を進めよ、進めたる足は堅く踏みしめよ」という言葉があるんですが、それを新たに社訓として、掲げようと言うことで、ご創業家のご了解を頂きまして、決めました。
もう１つ、経営理念、これは以前２０数年前に新たに経営理念をこれは社外の会社に頼んだんですが、やっぱり今回は経営理念を設けるあたって、自分たちで考えて自分たちが納得できる経営理念を作ろうということで、社内のプロジェクトをつくりまして、それもメンバーは次の世代を担う中堅管理職の部課長を中心にやって、経営理念を今に自分たちが本当に目指すやらないといけないというそういう思いを持った経営理念を設定しようということで、”すべての人々の「笑顔」と「しあわせ」のために”という経営理念を設けたんですね。我々は履物を生業としていますから、履物を通して、すべての人々が笑顔になる時、あるいは幸せを感じるときに足元に、履物として寄り添いたいという思いを込めた言葉が新しい経営理念なんですけど。そういったのを社員のモチベーションといいますか、気持ちを１つにする１つの物として定めたんですけども、それで出発をしました。
ちょっと時間が空いたんですけどね、最後にブランドスローガンを去年、ちょっと時間が空きましたんですけども、「Time with pride. ひたむきに歩み続ける」という言葉、これをやって完成することができて、これでブランディングと言う意味では完結した形になります。