Vol.4 差別化のポイントと成功の要諦
インタビュー内容
差別化のポイントと 成功の要諦
聞き手
御社がやってらっしゃるっていうのはもちろん特定専門分野でプロがやってらっしゃるんですけど、サービス業でもあるわけで。お客様である患者さんのためにどこまでできるかっていう、そこをやるからこそ同じような事業をやってらっしゃる他社さんとの差別化というか。そういうのもついてくるんですかね。
大野
どこで差別化するかっていうとやっぱり患者さんへの対応なんでしょうね。出す薬も同じ、やることも同じ。調剤室は4坪以上、ガラスは縦何�p以上、何平米以上、明るさが何ルクス以上って規定がありますからね。それで作って行きますから。やることはおなじなんですけど。やっぱりうちで今やっているのは、患者さんの名前を早く覚えること。もちろん名前で呼びますけど、来たらぱっとコンピューターを見れば、前回いつに来て、今回は1週間遅れたとか10日遅れたとかは、薬飲んでいたんですかって本当に気遣ってあげること。聞かれたら次はドクターに聞いてくださいと絶対に言わないこと。そこをちゃんと受け止めて、こっちからドクターに電話するか、そういうことを必ずしてあげること。今度先生に言っておいてくださいねって絶対こっちから言わないことっていう。そういうことを言ってますけどね。 患者に言われたことは全部受け止めろ。分からないときは、すぐに調べて連絡しますから、例えば薬のことで質問されたら、わからなかったすぐにしらべて連絡しますから、連絡先を教えてくださいっていうんで。調べてすぐに連絡する。それはきっちりやってくださいっていうのは社員によくしてますけどね。
聞き手
そう考えるとすごい大変ですよね。知識がある人で、資格がある人をますは採用しないといけない。そして、ホスピタリティがある人間を育てていかないといけないという、それは結構大変なことですよね。そういう時に社長自らが気をつけられているところ。例えば人材の育成ではありますか?
大野
そうですね。色んな会議が、研修会があるんですけど、その研修会は僕が時間があれば参加するようにしています。出たら一言でもしゃべらせてもらう。その中で、あまり言いませんけど、とにかく接客、患者とコミュニケーション、そういうところは言うようにしています。あとは会社の考え、方針はしっかり伝えたいなと思うんで。出れる研修会は極力出るようにしています。
聞き手
御社の社是が、見た時におおって声が出ちゃったんですけど、パーフェクト、完璧というのが社是に掲げてらっしゃるって、社員の方もプレッシャーですし、社長自らもプレッシャーにならないのかなと思うんですけど。
大野
パーフェクトを目指すということですから。何事もパーフェクトはあり得ない。パーフェクトを目指すということですから。
聞き手
全力で目指してもなかなかそうならないので、目指さなければもっとならないですから、そこですかね、やっぱり。
大野
うちのロゴはそうです。月をイメージしてるんですけど、あれは満月ではなくて、13夜の月を意味している。常に満月を目指すということなんです。パーフェクトまでいっちゃうと次がわからない。満月になると次は欠けるだけですから、13夜の月で満月を目指す。社是はパーフェクト、パーフェクトを目指すということで。
聞き手
とは言っても目指していてもできない方が圧倒的に多い中で、どうしてここまで事業でご成功してこれたんだと思いますか。
大野
パートナーでしょうね、人でしょうね。一緒になってやってくれた人でしょうね。1人では絶対できないですこれは。今は止めていった人もたくさんいますけど。そういう人を含めて、やっぱり人ですね。人だった。まだこれからもあるから過去形でなく人ですね。
聞き手
人によって助けられたり、人によって苦い勉強をさせられたり、色々あるわけですからね。
大野
そうですね。
聞き手
例えば今処方されている薬もこれは例えば飲んだ時に全然症状が回復されないんだよなって思って、ちょっとあまり効かないみたいなんですよねって言われた時にもうちょっと飲み続けてみてって言われるとそうですねってなってしまうんですが。それは薬局で、あまり効かないんですよねって言うと、じゃあ同じような感じこういう成分のものがあるから、こんどこれを先生に伝えてもらったらどうですかって言うふうに提案をしてくださったりとか。例えばある所では、病院に電話をかけてくださって。
大野
それはね、やります。聞かれたらいかがですかって答え方もあるし、その人の症状によってこれは変えた方がいいなって思えば、病院に薬剤師が電話します。
聞き手
やっぱりそこはお薬のプロがなせる技って感じですよね。
大野
今はドクターが慣れてくれたんで良く話を聞いてくれますけど、最初はそれをやると怒られましたね。黙って出しておけ、処方通り出しておけっていうドクターも結構いらっしゃいましたね。それでも強引に絶対だめですって言い続けて変えてもらったのもいますし、その時はその通りに出して。すぐに文献をコピーして、当時はファックスでしたから、ファックスで病院に送る。当時は2週間に1回来てましたから、2週間に1回来る、また同じ薬が来る。また文献をコピーして送る。それを繰り返すうちに薬が変わった。そしたらその薬剤師はものすごく喜びましたね。すぐに電話をくれて、もう嬉しくて嬉しくて。もっと嬉しいのは、そのドクターがそれから2、3カ月して、薬局に来たんだそうです。で、ぱっと開けて、君か俺の薬に色々と文句を付けてくれるのは、ありがとうって言って帰って行ったそうです。
聞き手
それはすごく素敵なエピソードですね。
大野
そうです。これは本当に僕もものすごいうれしかったですし、そこまでやった薬剤師もすごい評価したいですね。
聞き手
そこまでやられたからこそドクターの気持ちも動いて。
大野
すごい信頼したと思うんですね。
経営者プロフィール
| 氏名 | 大野 利美知 |
|---|---|
| 役職 | 代表取締役社長 |
会社概要
| 社名 | ファーマライズホールディングス株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都中野区中央一丁目38番1号 住友中野坂上ビル8F |
| 設立 | 1984 |
| 業種分類 | 小売業 |
| 代表者名 | 大野 利美知 |
| 従業員数 | 1280 名 |
| WEBサイト | http://www.pharmarise.com/ |
| 事業概要 | 持株会社体制による調剤薬局の経営 |