幼児活動研究会株式会社 創業以来40期以上、連続増収。約1,000ヶ所の保育園、幼稚園で幼児体育を指導 幼児活動研究会株式会社 代表取締役 山下 孝一　 (2013年8月取材)

キャリア

山下

素直でまじめ。これが全てですね。確かに能力がある人って必要だと思うんですよ。でも私は自分自身を見て、またうちの社員を見て、つくづく仕事って能力よりも真面目。あるいは裏表がない、コツコツやる。そういった人間性のほうが大事だなと。私もそれは仕事の最も大事な点だと思います。特別な人はいらないです。というよりも、特別なことはできないです、私は。普通なんだから、普通のことを徹底して、工夫してやり続けようと。

山下

例えば皆さんが入ってきた時、うちの社員が立ちあがるんですよね。電話してる人間以外は全部立ってくれと。それで向こうを見てきちんとあいさつしてくれと。おじぎのやり方もうちの会社でマニュアルがあって。研修してるんでああいったおじぎするんですよね。1回でいいからやってくれと。誰でもできる。私は何が大事かって、社員にも言いますよ。俺も普通の人、お前たちも普通だって。でも普通の人が普通のことをやったら、会社がつぶれるぞと。奥さんどうするんだって、家族どうするんだって。だから大事なことは平凡なことを継続して、徹底して、そうすれば非凡になるんだ。それをつづけていくということ、これが一番大事だなと。社員にもそこのところを一番話します。

山下

私どもの会社は小さかった。今でも大したことないんだけどね。マンションタイプで事務所だった、オフィスだったんです。マンションタイプってみんな靴を脱ぐようになってるんですね。私どもも掃除のこともあるので、最初から靴を脱いでたんですよ。それがここに移って、普通のオフィスですから、もういいよ、靴を脱いで入ってもらおうって。お前たちも靴を脱いで入っていいんだよと言ったら、女性社員がやっぱりここで靴を脱がしてほしいって。何でかって聞いたら、今まで通りお客さまの靴を磨きたいって言うんです。磨いてあるんです、あそこで。簡単なんだけど。そうやって女性社員が言ってくれるんだって。

それじゃお客さんはちょっと嫌がるかもしれないけど、あそこで靴を脱いでもらおうかって。来たら全員があいさつをする。靴を脱ぐ。嫌だなと思ったけど、気がついたらちゃんと靴を拭いてくれる。雨が降ると傘が濡れますね。その濡れた傘をタオルで拭こう。たったこれだけで、お客さんは喜ぶんです。そういう会社がきっと売り上げ利益以上に、私の基準から言うといい会社なんです。そういったことを大事にする会社。そういったことをできる会社がいい会社。いい会社にしたいです。

山下

子どもが好きで、事務経理ひっくるめても、幼児活動研究会という名前を見ても、子どもの仕事だなと皆さん思います。メインの仕事は子どもたち相手にやってますから、だいたい子どもが好きだという方が多いです。私の一番の社長としての仕事、社長としての使命は、一番初めに言ってることなんですけれども、社長の第一の使命は社員の生活を守る。社員およびその家族を幸せにする会社経営を行うと。私はどんな利益を出しても、社員を守れなかったら、社員を幸せにできなかったら、社長失格だと思ってる。赤字で会社をつぶしたら社員困りますよ。何が何でも会社の社員を守らなきゃいけないと思います。だから、会社の一番の社長の使命は、社員を守ること。そのためのお客さま第一なんです。そのための利益です。

山下

ありがたいことに、41期連続増収です。ありがたいですよね、気がつきました。日本中でだいたい1万件の会社がつぶれるんです。月1千社倒産してるんです。その倒産した会社の社長もきっと社員に売り上げ上げろって言ってるんだろうな。言っててもこれだけ潰れるってことは、売り上げ上げろということばは、何の意味もないと思いました。ああそうだ、そんなことよりも、社員みんな良くなってほしい。社員に幸せになってほしい。幸せって何か。そういったことを社員に話すことのほうが、はるかに社員ってやる気になってくれるんだろうなと気がつきました。真実だと思います。